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気の向くままに、イメージのままに、曲を聴きながら、携帯で書いたりしたものとか。 玉砕は覚悟のうち。
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太陽があって、
月がある。

光があって、
闇がある。

逆も然り。と決まりごと


月に吠える黒い狐、
太陽に歌う白い狐

回る陰陽の掟。


***

紅い月には気を付けよ。
闇が従えた夜の民。

太陽のものたちは囚われてしまう。
全て奪われ、朱に散る。

***

蒼い太陽を染めあげよ。
光の民を喰らい尽せ。

月のものたちはもくろむ。
『力』を我が手に。
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その本にたくさん綴った言葉を本棚にしまって。

暦を数えて、107回。
迷いを捨て、"君"はいなくなった。

グッバイ、グッバイ
お別れを告げる。

そして、1回。
新しい産声があがる。

ハロー、ハロー
挨拶をする。

はじめまして。
新しい『君』はその本にどんな言葉を綴るんだい?
鬱蒼としげる暗い森。
夜の民の巣窟。
そんな中で、
「ふぇぇぇん!!」
何処かで誰かが泣いていた。
常人には暗く、危険なそこで自分の居場所を示す様に泣いていた。

「ふぇっ…ぐすっ。」
白いワンピースを着た小さな少女でした。
森の中で迷ってしまったのか、時折『おとうさん、おかあさん』としゃっくり混じりに呟いて。

すると、突然。

ガサガサと草むらが音を立てました。
少女は泣いているし、なおかつ暗い森のせいで何も見えません。
やがてガサガサと草むらで音を立てていたものは少女の方に近付いて来ます。

獣でした。
それは少女の泣き声を聞き付けてやってきた腹を空かせた夜の民でした。
唸りながら、涎を垂らしながら一歩一歩、甘いお菓子(餌)をもったいぶるような様子で近付いていきます。

その不気味な音にやっと気が付いた少女は首をぶんぶん振りながら後退りをし、

木に背中をぶつけました。

獣のような夜の民が口を開いた瞬間、

「…なにしている。」
やや舌足らずな声が少女の耳に届きました。
『ガルル……』
その言葉に答えるかのように獣のような夜の民は唸り、食べようとします。
「いけない」
声の主はそう言うと、キッと獣のような夜の民をにらみつけました。
そのあまりの鋭さに獣のような夜の民はたじろいたのか尻尾を巻いて逃げ出しました。

***

声の主は人でした。
少女と同い年くらいで黒い服を着た、少女とは対象的な少年でした。

少年は少女の前にしゃがみこむと、少女の涙でぐしゃぐしゃな顔を袖でごしごし拭きました。
少女が泣き腫らした目を向けると少年の紅い瞳とぶつかり、少年が目をそらしました。

立ち上がった少年が少女に手を差し出し、少女がその手をとって立ち上がります。
「でぐち、しってる?」
やっと泣きやんだ少女が少年に聞くと、少年は小さく頷いてからくるりと方向を変え、歩き始めました。
少女が慌てて後を追います。

暗い森の中、黒い服を着た少年は見失い易い上にあまり少年ばかり追い掛けると足元がおろそかになってしまう。
「まって。」
少女が前を歩く少年に言いました。
すると少年は素直に止まって少女が追い付くのを待ってくれました。
追い付いた少女は少年の袖を握りしめます。
まだ少女の涙で湿った方の袖でした。

少年と少女は同じような速度で歩いています。
少女にはただ同じ景色がぐるぐるしているように見えていますが、少年にはちゃんと区分がついているらしく、分からないところをずんずん進んで行きました。


やがて、遠くの方に螢ほどの大きさの灯りがちらつきました。
「……。」
少年が歩くのを止めます。
「?」
少女が首を傾げました。
「あのあかりはそとへのめじるし。」
「あかりのところにいけばいいの?」
少女の問に少年は頷いて答えました。
「あなたは?」
次の質問には首を横にふりました。
「そっか……でぐちまであんないしてくれてありがとう。」
少女は笑ってお礼をいいました。
少年はきょとんとした顔をしていましたが、すぐに灯りのもとへ急かすように少女の背中を押し、されるがままに少女は灯りのもとへ歩きだしました。

***

少女は灯りを頼りに森の道なき道をひたすらに歩いていきました。
灯りのもとへ着くと、そこには見知った顔がいざ暗い森に入ろうとしていたらしく、入り口にいました。
「姫…よくご無事で。」
従者の一人でした。
安心したのか、少女はまた泣き始めてしまいました。顔もまたぐしゃぐしゃです。
「怖かったですね、よく頑張りました。」
従者が姫と呼んだ少女の頭を撫でてあやします。
「帰りましょう、姫。皆待っていますよ。」
少女がその言葉に頷くと一瞬の突風の後、従者は龍に姿を変えていました。
少女はその龍の背中に乗り、角を掴んだのを確認し龍は大空に舞い上がります。
もう地上は遥か下に広がっているけれど、少女は視線を下に向けて少年のいた暗い森を見つめていました。


***

暗い森の奥、先程の少年が居ました。
今はうってかわり、傷だらけです。

「せっかく迷わせたものを……」
少年の前にいる人物がブツブツ文句を言いながら、
「処罰はわかっているだろう?」
とても残虐的で冷酷な笑みを浮かべました。


紅い月が笑った。
そんな三日月の暗い夜道に白く咲く少女。
辺りには桜の花弁が舞うように風に流れている。

「姫、いくら私がいるからと夜に散歩など・・・」
そんな少女に小さく文句を言う従者の声はやや後ろから聞こえた。
「だって、来てみたかったんだもの。」
振り返る少女は表情を和らげてふわっと後ろの従者に笑いかけた。
「夜桜見物。」
「しかし姫、よりによって何故紅い月のよるなんかに?」
後ろの従者が姫と呼んだ少女に追いついて問いかける。
「どうしてか、今日じゃなきゃ嫌だったの。」

―本当に、どうしてかな。

少女は困ったように首を傾げる。

歩みを進める毎に深まる闇。
桜と二人だけが浮いて見える程に辺りはそれでいっぱいになった。
そして、姫の歩みは止まった。
「どうかなされまし・・・・!?」
足下には覚えのない水たまり。
ボロボロの服、ズタズタな身体。

真っ赤な水たまりの中心には人間が一人倒れていた。
でも、一般の人間ではない事は確かだった。
紅い月の出る夜は『夜の民』の力が強くなると言われているからである。
「・・・助けなきゃ。」
姫は小さく呟いた。その目に色(感情)は無い。


 

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楽な方向に流れやすい。
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連載は挫折しやすい事を知り、短編をざかざかと書こうと決め、チマチマ更新予定。
リア友に教えちゃったから、あんまり変なのは載せないようにしてる。
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