気の向くままに、イメージのままに、曲を聴きながら、携帯で書いたりしたものとか。
玉砕は覚悟のうち。
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彼女はつくづく月が似合うと思う。
円香はぼんやりとそう考えていた。
朧月館にいたときも、よく思った記憶がある。
そう思われている当の本人は床に横たわって眠っている。
ちょうど月明かりが窓からさしこむ位置なので、光が彼女の薄目の色素を持つ髪に当たって別の色に見える。
あのときと同じで円香はくすりと笑った。
しかしながら、夢見心地はよくないみたいで先ほどからうなされている。
円香にはそれをどうすることもできなくて、ただ側にいることしかできなかった。
「……、消えた……」
時折のうわ言。
眉間にしわがよる。
「祐、」
円香が心配そうに名前を呼ぶが、答えはない。
「……傷付ける、…」
辛そうに声をあげる。
その一言に、円香はあることを思い出した。
亜夜子ちゃんがいつもみたいに鋏を振り回して、高笑いしながら私に近付いてきた時に
「何を、している?」
たまたまここに入院することになっていた彼女が間に入ってくれた。
私は傷付かなくて済んだ。
だけど、彼女のつけていた眼帯はまっぷたつになり、その皮膚も切れて血がでていた。
「邪魔しないでよ。」
亜夜子ちゃんが怒った顔で言ったが、
「ふふっ…、綺麗な色。」
少しずつ滲み始めた赤い滴を見つめて亜夜子ちゃんは、にやり。と不気味に笑う。
何かを聞き付けてばたばた走ってきた看護婦さんたちが亜夜子ちゃんを叱る。
鋏を取り上げられて不機嫌な顔した亜夜子ちゃんが渋々去っていく。
「怪我は?」
怪我してるのは自分だというのに。
ぶるぶると小動物みたいに震える私に聞いた。
私が首を左右に振ると、よかった。と笑う。
なんだかしばらく笑ってない人が笑ったようなぎこちない感じだった。
「ごめんなさい。」
「?」
彼女は首を傾げる。
わかっていない。
「その……」
円香が指差した先を辿ってまっぷたつの眼帯を見つけた彼女は目に手を当てて初めてそれに気が付いたらしい。
「あぁ、気にしなくていい。」
「でも……」
「慣れてるから、大丈夫。」
不思議だった。
何故慣れているのか。
「?」
首を傾げていると、ガーゼとか消毒液を持った椿さんが現れた。
「円香ちゃん、怪我してない?」
やさしい口調の椿さんの問いに私は首を振った。
「だいじょうぶ」
「そう、よかった。」
椿さんは笑って頭を撫でてくれて、彼女の方に行く。
「目を開けてくれる?」
それに彼女は大分躊躇っているようでなかなか言うことを聞かなかった。
「目も怪我してたら、これじゃ手当てできないから。ね?」
椿さんがそう言うと、仕方なく、という風に彼女は目を開いた。
何故躊躇っていたのか、すぐに理解した。
彼女の、目。
眼帯がつけられていた方の目はもう片方と違った色をたたえていた。
今までそれで何かあったのかもしれない。
「よかった、目は怪我してないみたい。……眼帯取ってくるわ。」
安堵の表情をした椿さんは新しい眼帯を取りにぱたぱたとその場を後にした。
彼女はきょとんとした表情で椿さんを目で追っていた。
「変でしょ?……昔からなんだ。」
自潮したように彼女は私に言う。
「……そんなことないよ。わたし、きれいだとおもうよ、め。」
本当に、そう思った。
「初めて言われた。」
また、ぎこちなく笑った。
眼帯を持った椿さんが帰ってきて彼女につけてあげる。
「円香っ!」
海咲もいた。
椿さんに聞いてきたみたい。
「けがは?何もされなかった?」
「う、うん。わたしはだいじょうぶだよ。」
そういうと海咲は安心したらしい。
亜夜子ちゃんにぶつぶつ文句を言っていた。
そのまま海咲に手を引かれて、振り返ったら彼女は小さく手を振ってくれた。
「う……」
回想に耽っていた円香をその小さい声が引き戻す。
ぼんやり開いた目が円香のそれとあった。
「嫌な夢でも見たの?」
うなされていた。と告げると、いつもなら"うん。"だけで済ましてしまうのに、今日はなんだか違っていた。
「遠い夢。」
「遠い?」
「そう。…女の子が二人、村に迷いこんでしまって、なんとか脱出できたけど、もしかしたら傷付けてしまうかもしれない、だからその射影機で写せ、って最後には言う。
……もう、何度目かな。」
簡略された説明に募る疑問。
「何度も見てるの?」
その問いに彼女は首を縦に振った。
「これだけを、じゃないけどね。」
そう言ったあとに眼帯を触った。今、表情には出ていないけど到底自分にはわからないものだと感じた。
「まだ、嫌い?」
「少し。けど、円香が好きだと言ってくれたから、前ほど嫌いではないよ。」
円香は彼女の顔に手を伸ばしてするり、と眼帯を外す。
薄く傷の残った瞼の奥にある目がたたえる色は昔と変わらない。
「大丈夫。大丈夫だから。」
呟いた言葉は彼女の癖。
きっと傷跡のことを気にしたのかもしれない。
そうじゃないかもしれない。
けれど、どちらにしろ
「そうやって、すぐに隠す」
「?」
ぶすくれて言ったが、祐は何が?と言う風でやっぱり無意識。
「辛いことも苦しいこともみんな隠しちゃう。」
「……。」
「それなのに、いろいろとお見通しなんだもん。」
円香もわかりたかった。
彼女のくすぶる気持ちを。
少しでも、笑っていられるように。
「……じゃあ、もう少ししたら、言う。…どこから説明したらいいかわからない。」
彼女は言葉にするのがあまりうまくないのも変わらなくて。
「うん、待ってる。」
仰向けの彼女の頭を撫でていると、眠くなってきたのか、目をごしごしとこする。
「眠い?」
頷いた彼女を床よりもベッドのほうがいいだろうと強制的に動かした。
また頭を撫でると祐は私の袖を掴んだ。
「…一人、怖い。」
「うん、傍にいるよ。」
おやすみ、
円香はぼんやりとそう考えていた。
朧月館にいたときも、よく思った記憶がある。
そう思われている当の本人は床に横たわって眠っている。
ちょうど月明かりが窓からさしこむ位置なので、光が彼女の薄目の色素を持つ髪に当たって別の色に見える。
あのときと同じで円香はくすりと笑った。
しかしながら、夢見心地はよくないみたいで先ほどからうなされている。
円香にはそれをどうすることもできなくて、ただ側にいることしかできなかった。
「……、消えた……」
時折のうわ言。
眉間にしわがよる。
「祐、」
円香が心配そうに名前を呼ぶが、答えはない。
「……傷付ける、…」
辛そうに声をあげる。
その一言に、円香はあることを思い出した。
亜夜子ちゃんがいつもみたいに鋏を振り回して、高笑いしながら私に近付いてきた時に
「何を、している?」
たまたまここに入院することになっていた彼女が間に入ってくれた。
私は傷付かなくて済んだ。
だけど、彼女のつけていた眼帯はまっぷたつになり、その皮膚も切れて血がでていた。
「邪魔しないでよ。」
亜夜子ちゃんが怒った顔で言ったが、
「ふふっ…、綺麗な色。」
少しずつ滲み始めた赤い滴を見つめて亜夜子ちゃんは、にやり。と不気味に笑う。
何かを聞き付けてばたばた走ってきた看護婦さんたちが亜夜子ちゃんを叱る。
鋏を取り上げられて不機嫌な顔した亜夜子ちゃんが渋々去っていく。
「怪我は?」
怪我してるのは自分だというのに。
ぶるぶると小動物みたいに震える私に聞いた。
私が首を左右に振ると、よかった。と笑う。
なんだかしばらく笑ってない人が笑ったようなぎこちない感じだった。
「ごめんなさい。」
「?」
彼女は首を傾げる。
わかっていない。
「その……」
円香が指差した先を辿ってまっぷたつの眼帯を見つけた彼女は目に手を当てて初めてそれに気が付いたらしい。
「あぁ、気にしなくていい。」
「でも……」
「慣れてるから、大丈夫。」
不思議だった。
何故慣れているのか。
「?」
首を傾げていると、ガーゼとか消毒液を持った椿さんが現れた。
「円香ちゃん、怪我してない?」
やさしい口調の椿さんの問いに私は首を振った。
「だいじょうぶ」
「そう、よかった。」
椿さんは笑って頭を撫でてくれて、彼女の方に行く。
「目を開けてくれる?」
それに彼女は大分躊躇っているようでなかなか言うことを聞かなかった。
「目も怪我してたら、これじゃ手当てできないから。ね?」
椿さんがそう言うと、仕方なく、という風に彼女は目を開いた。
何故躊躇っていたのか、すぐに理解した。
彼女の、目。
眼帯がつけられていた方の目はもう片方と違った色をたたえていた。
今までそれで何かあったのかもしれない。
「よかった、目は怪我してないみたい。……眼帯取ってくるわ。」
安堵の表情をした椿さんは新しい眼帯を取りにぱたぱたとその場を後にした。
彼女はきょとんとした表情で椿さんを目で追っていた。
「変でしょ?……昔からなんだ。」
自潮したように彼女は私に言う。
「……そんなことないよ。わたし、きれいだとおもうよ、め。」
本当に、そう思った。
「初めて言われた。」
また、ぎこちなく笑った。
眼帯を持った椿さんが帰ってきて彼女につけてあげる。
「円香っ!」
海咲もいた。
椿さんに聞いてきたみたい。
「けがは?何もされなかった?」
「う、うん。わたしはだいじょうぶだよ。」
そういうと海咲は安心したらしい。
亜夜子ちゃんにぶつぶつ文句を言っていた。
そのまま海咲に手を引かれて、振り返ったら彼女は小さく手を振ってくれた。
「う……」
回想に耽っていた円香をその小さい声が引き戻す。
ぼんやり開いた目が円香のそれとあった。
「嫌な夢でも見たの?」
うなされていた。と告げると、いつもなら"うん。"だけで済ましてしまうのに、今日はなんだか違っていた。
「遠い夢。」
「遠い?」
「そう。…女の子が二人、村に迷いこんでしまって、なんとか脱出できたけど、もしかしたら傷付けてしまうかもしれない、だからその射影機で写せ、って最後には言う。
……もう、何度目かな。」
簡略された説明に募る疑問。
「何度も見てるの?」
その問いに彼女は首を縦に振った。
「これだけを、じゃないけどね。」
そう言ったあとに眼帯を触った。今、表情には出ていないけど到底自分にはわからないものだと感じた。
「まだ、嫌い?」
「少し。けど、円香が好きだと言ってくれたから、前ほど嫌いではないよ。」
円香は彼女の顔に手を伸ばしてするり、と眼帯を外す。
薄く傷の残った瞼の奥にある目がたたえる色は昔と変わらない。
「大丈夫。大丈夫だから。」
呟いた言葉は彼女の癖。
きっと傷跡のことを気にしたのかもしれない。
そうじゃないかもしれない。
けれど、どちらにしろ
「そうやって、すぐに隠す」
「?」
ぶすくれて言ったが、祐は何が?と言う風でやっぱり無意識。
「辛いことも苦しいこともみんな隠しちゃう。」
「……。」
「それなのに、いろいろとお見通しなんだもん。」
円香もわかりたかった。
彼女のくすぶる気持ちを。
少しでも、笑っていられるように。
「……じゃあ、もう少ししたら、言う。…どこから説明したらいいかわからない。」
彼女は言葉にするのがあまりうまくないのも変わらなくて。
「うん、待ってる。」
仰向けの彼女の頭を撫でていると、眠くなってきたのか、目をごしごしとこする。
「眠い?」
頷いた彼女を床よりもベッドのほうがいいだろうと強制的に動かした。
また頭を撫でると祐は私の袖を掴んだ。
「…一人、怖い。」
「うん、傍にいるよ。」
おやすみ、
狐面がほしい。
・・・・・ではなくて。
えーっと、えーっと、普通の文です。
怪しくないです。・・・たぶん。
ろうの字、あってるかな・・・?
円香にしようか、流歌にしようか、男の子にしようか女の子にしようかまよってこうなった。
違うバージョンも書いてみたくなった。
椿さんはこんなしゃべり方でいいんだろうか。
ちなみに、祐で「ひろ」って読みます。
目の色が違うのは、束縛された魂の生まれ変わりみたいなかんじ。
zero、紅い蝶、刺青ノ聲でそれぞれ死んだ人の記憶を受け継いでいます。
それ故の苦しみ。
彼女はきっと死んでしまうことを恐れるでしょう。
それも誰かに受け継がせてしまうことになるから。
・・・自重しときます。
・・・・・ではなくて。
えーっと、えーっと、普通の文です。
怪しくないです。・・・たぶん。
ろうの字、あってるかな・・・?
円香にしようか、流歌にしようか、男の子にしようか女の子にしようかまよってこうなった。
違うバージョンも書いてみたくなった。
椿さんはこんなしゃべり方でいいんだろうか。
ちなみに、祐で「ひろ」って読みます。
目の色が違うのは、束縛された魂の生まれ変わりみたいなかんじ。
zero、紅い蝶、刺青ノ聲でそれぞれ死んだ人の記憶を受け継いでいます。
それ故の苦しみ。
彼女はきっと死んでしまうことを恐れるでしょう。
それも誰かに受け継がせてしまうことになるから。
・・・自重しときます。
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